レッドシーのREEF-SPEC™カーボンは独自の優れた技術的特徴を備えており、マリン&リーフアクアリウムでのご使用に最適です。
REEF-SPEC カーボンには100gの箱入りと250g/500g/1000gの容器入りがあります。
レッドシーREEF-SPEC カーボン独自の粒サイズやミクロ/マイクロ孔の構造により、リーフアクアリウムにみられる特定の有機汚濁物の高い総吸着能力と吸着速度を実現しています。
REEF-SPEC カーボンはリン酸の溶出が限りなく低く、灰の含有も最小に抑えられていますので、水槽水のpHへ影響を与えません。
レッドシーのREEF-SPEC カーボンは他の活性炭製品に比べ、同じ効果を保ちながら交換頻度を少なく抑えるか、使用量を減らしながらご使用いただけます。マリン&リーフアクアリウムでベストな水質を実現しながら、コストパフォーマンスにおいても優れた製品です。
リーフアクアリウムでカーボンを使う必要性とは?
リーフアクアリウムの飼育水から活性炭のみによって取り除ける有機汚濁物があります。
リーフアクアリウムは閉鎖された人工的なエコシステムで、飼育生物からタンパク質や脂肪、炭水化物、有機酸、フェノールを構成する有機汚濁物が継続的に生成されます。
それらの有機物が分解されると水槽内の望まざる微細生物の活動エネルギーとなり、総必要酸素量(BOD、COD)が増加することによって、酸化還元電位を引き下げる原因となってしまいます。また同様に、バクテリアの呼吸によりCO2の過剰な生成を引き起こし、pHの低下を招きます。
さらに、窒素体やリン体の複合物を増加させ、有害なバクテリアや最終的には厄介なコケを増加させます。また、有機物の蓄積は光の透過性、特にサンゴの成長を刺激するブルーや近UVのスペクトラムにおいて著しく影響を与えます。
よって、水槽水からこれらの有機物を取り除くことがアクアリウムの成功にとって極めて重要となります。強力なプロテインスキミングや目の細かい物理ろ過、健全な生物ろ過(硝化と反硝化)を使うことによって、大きい有機物質や有機物分解過程の最終生産物を処理することはできます。しかしながら、大量の小さい有機物質は、活性炭を使った極微細な物理ろ過でのみでしか処理することができません。
活性炭はどのように水をろ過するか?
化学的に言うと、カーボンは吸着と言われる物理的なプロセスで有機物を水から除去します。リーフアクアリウム内では活性炭の微細孔が物理ろ過プロセスの最終ステージとなり、目の細かな物理ろ過やプロテインスキミングでも除去するには小さすぎる有機分子でさえ吸着します。
吸着は吸引力によりカーボン表面へ付着させることと考えられています。これは、カーボンの微細孔の中で起こり、有機分子とカーボンの内部表面との間の吸引力が、有機物が溶液中で溶けた状態を維持する力をはるかに上回るためです。これは、カーボンの内部エリアが使い果たされるか有機物で一杯になるまで継続します。
活性炭とは?
活性炭はスポンジのような構造でありながら、その物理的な大きさに比べても膨大な内部表面積を持つ極多孔な材質となっています。これは、ココナッツの殻やナッツの殻、褐炭、瀝青炭または無煙炭から生産されています。カーボンを基本とした材質は物理的に調整され、管理された環境と温度のもと炉内で熱分解されたものが“活性”となります。
その活性化工程により、微細孔は内部まで網目状に構成され、単体あたりの表面積を著しく増加させることによって、活性炭にろ過材としての働きを与えます。特定のカーボンの原料と特定の活性化工程により、最終的な製品の物理的な特徴が決められます。異なったグレードの活性炭が沢山ありますので、特別に原料を吟味し、最適な工程を選ぶ必要があります。
リーフアクアリウムでの使用に理想的なカーボンは何が決め手?
活性炭を比較し評価する国際的に認められた試験方法が幾つかあります。しかし、リーフアクアリウムのための活性炭を選出する最重要なパラメーターはヨウ素価 やメチレンブルー価となります。これら2つのパラメーターを計測することで、物理ろ過やプロテインスキミングで除去することのできないリーフアクアリウム内の有機汚濁物を吸収するためのカーボンの能力が分かります。それらの値が大きいほど、カーボンの使用量あたりに除去できる有機物が多くなります。
あるメーカーはモラセスナンバーを取り上げますが、モラセス(糖蜜)の分子サイズは大きく、一般的にはプロテインスキミングによって除去されます。よって、その値はリーフアクアリウムのための活性炭の適合性を評価するには不適切となります。
過去には、カーボンから水中にリン酸が溶出することが知られていましたが、リーフアクアリウムにとって望まれないことでした。よって、リン酸の溶出 は極力抑えることが最善だと考えられます。実際には、リン酸の溶出は常に極僅かなレベルを下回っており、リーフアクアリウムでは検出できない濃度となっているので的外れではあります。
製品のクリーンさや粉っぽさもまた考慮される点で、これはアッシュレベルで測ることができます。値は低いほど良く、高い値が示唆することは多量の粒子が水中に放出され、ろ過を行うカーボンの実際の量が少なくなるということです。アッシュレベルはメーカーにより度々引き合いに出されますが、これはカーボンを水中に入れた時の濁り具合によって簡単に視覚化できます。
それらの重要な指標に加え、活性炭の総合的な効果は物理的なパラメーターである製品密度や TSA、 細孔密度 、 メッシュサイズなどにより影響を受けます。
褐炭や無煙炭から作られた活性炭は過度な量の微粉が水中に放出されるため、リーフアクアリウムでの使用をお勧めしません(ある魚種で側線びらん“HLLE病”を引き起こす恐れがあります)。ココナッツの殻または瀝青炭が原料として最適です。
カーボンメディアの吸収活動は、いかにカーボンと飼育水を接触させるかにかかっています。
よって、適度な水流が効果を向上させます。強い水流は接触時間を減少させ有機分子のカーボンへの付着プロセスを妨げてしまいます。
また、強い水流は粒同士を削り合いさせ、カーボン原料を水中へ放出する原因となりかねません。
ベストな結果を得るために:
有機汚濁物および水の黄ばみの除去:
レッドシーの REEF-SPECカーボンの推奨使用量は、生体が適度に入ったリーフアクアリウムで1-2カ月間に水量200Lに対して50g(100ml)となります。
薬治療の後処理:
残存した治療薬の吸着を目的としたレッドシーの REEF-SPECカーボンの推奨使用量は、1週間に水量200Lに対して100g(200ml)となります。
オゾンの後処理:
残存するオゾンの除去を目的としたレッドシーのREEF-SPECカーボンの推奨使用量は、オゾンの注入量50mg/hに対して50g(100ml)となります。カーボンはオゾンを注入するリアクターやプロテインスキマーの排水付近に設置し、カーボンの量が半分程度に減った頃に交換します。
ヨウ素価:
10 Åから15 Åの範囲の小分子の吸着能力を評価するための標準試験方法。リーフアクアリウムでの推奨レベルは850mg/g以上で、値か高いほど良い。
メチレンブルー価:
15Åから40Åの範囲の中サイズの分子の吸着能力を評価するための標準試験方法。リーフアクアリウムでの推奨レベルは250mg/g以上で、値か高いほど良い。
モラセスナンバー:
40 Å以上の大きい分子の吸着能力を評価するための非標準試験方法。リーフアクアリウムでの推奨値はありません。これらの分子はプロテインスキミングにより除去されます。
アッシュレベル:
活性炭の非カーボン含有率を測定したもの。これらは通常カーボンから水中に放出されるゴミとなります。低い値ほど良い。
リン酸溶出:
カーボンから水槽内へ溶出した残余オルトリン酸PO4の量を測定したものです。リン酸が少ない方が良く、リーフアクアリウムでは10mg/Kg以下でなければなりません。最高品質のカーボンでは2mg/Kg以下となります。
製品密度:
梱包効率を最大限にした時のカーボンの密度で、g/mlで表されます。
TSA – 比表面積:
カーボンの質量あたりの吸着できる孔表面積の合計。BET窒素吸着(m2/gで表される)などの技術を用いて測定されます。推奨値は800m2/g以上となります。
細孔容積:
マクロ、メソ、ミクロサイズの孔の合計。TSAと細孔容積の比で有効な表面積をm2/mlで評価します。
メッシュサイズ:
粒状製品の粒の大きさの範囲を測定します。水処理に推奨されるメッシュサイズは8×30メッシュ(0.6×2.4mm)となります。